解剖学実習に参加して

 大連医科大学へ解剖実習に参加して、貴重な体験をして事について、私の日記で、感想を述べさせていただきます。

9月5日第1日目

 初めての海外旅行で、前日からなかなか寝付けない。忘れ物は無いか、パスポートは大丈夫か何度も確かめる。

 朝、小松先生が自宅へ迎えに来る。かなり思いトランクケースにお互い苦笑い。

 「お金は、大丈夫?カードがあるから。」

重いトランクケースを引きずり、皆は仕事をしているのかと、嬉しいような不安のような気持ちで、高岡駅からサンダーバードに乗り込み、小松駅に到着。小松駅から30分おきに出るバスで小松空港へ。そして、福岡空港へ飛び立つ。

福岡空港では国際線ターミナルバスで移動、待ち合わせ場所では、ぱらぱらと実習に参加する人達が集まってくる。

別室で出国審査や手続きについてのミーティングがあり、初めての経験で少し緊張する。

そして、大連に向けて、いよいよ出発。ただ、中国国際航空機内でのスチワーデスの愛想の無いのには驚いた。

約二時間で大連に到着。ひと安心。だが、入国審査でまたも緊張、打ち合わせ通り名簿順に二列に並び、なんだか修学旅行みたいだと、おかしくもなる。

入国審査も終わり高級専用バスで宿舎のホテルへ、思った以上に立派なホテルで、熱烈歓迎の垂れ幕にびっくりする。

大連医科大学からの歓迎夕食会で一日が終わる。

9月6日第二日目

午前は開講式、解剖教研室や実習室の下見をする。広い校舎と綺麗でないトイレに驚く。

午後から解剖実習、初めての体験で戸惑う。

皮切りが上手くいかない、厚く切りすぎて筋皮神経まで剃り落としてしまう。

9月7日第三日目

話には聞いていたけれど真夜中からかなり強烈な下痢状態に襲われる。風邪の様な症状で熱があるのか、ふらふらした感じがする。

解剖実習にならない午前の部は休憩室で横になる。

大学での始めてのトイレを使用する。紙も無く、立ち上がると隣が見える大変勇気のいる行動をとる。

実習生の約二割が下痢状態に襲われる。自分は、下痢止めと、抗生剤を服用する。

9月8日第四日目

前日の下痢がウソのように体調が回復し、その日から朝の挨拶は皆が「おはようございます」でなく「今朝は、どうですか」が挨拶になる。

 大連医科大学の学生は、朝七時前にはほとんどの学生が講義室に集まり自習しているのには驚く。

 解剖実習は終日順調に進む。

昼食は毎日が日本食なので安心する。

9月9日第五日目

終日フリータイム

早朝ホテル近くの朝市に一人で出かけた。

野菜や魚が中心でかなりの人でにぎわうが、

信号が役目を果していないので、道路の横断は、命がけでする。

 大連外語大学の学生が通訳を務めてくれ、 自然博物館、星海公園を観光する。街の中は、ゴミひとつ無く綺麗だが、トイレが異常に汚れているのに驚く。ここでも命がけの道路の横断。信号は青も赤も関係無し。 お茶屋さんで、みやげ物を購入する。

9月10日第六日目

 解剖実習終了後、解剖教研室の先生方との交流夕食会。

 馬場先生より急に夕食会後の挨拶の指名を受け、何とか治めてひと安心。だが酔った気がしない。

9月11日第七日目

毎日の事ながら、大学に向かうバスの中は、柔道の稽古に行く前の様な重苦しい学生時代の合宿所生活を思い出す。私だけかもしれないが。

構内の売店にも慣れ学生気分に浸るが、テスト問題発表でウンザリ。現実が蘇る。

9月12日第八日目

解剖実習終了後、ホテルで必死にテスト勉強に励み、暗記する。酒を飲む余裕なんてなし。

9月13日第九日目

午前はテストの復習、午後は理論的な復習題10問と実践の復習題20問。

 理論的な復習題は、何とか解答できたが、

実践の復習題20問は、7秒ごとにタグの付いている部位の名称を答えるのだが、時間の焦りと、神経、動脈、静脈の部位の迷いがあり自分の納得のいく答えはでき無かった。結果は最悪。

試験終了後、自分の思い思いの部位を自由に解剖するが、時間が足りず不完全燃焼。

 ホテルでの夕食の後、50元のマッサージに出かけ、満足度100%。

まったく英語も日本語も通じないがそれなりに楽しむ。

9月14日第十日目

午前に足関節に付いて英語での講義を受けるが何となく理解できる程度で無理がある。

閉講式(修了証書授与)に出席。

午後に大連ヒルトンホテルへ移動する。

大連医科大学の先生方との謝恩会で大いに盛り上がる。もちろん中華料理。

9月15日第十一日目最終日

今回アメリカでのテロ事件があった為に、出国審査や入国審査が厳重でないかと心配したがスムーズに済み安心する。

福岡空港に無事到着で解散する。

今回、初めて解剖学実習に参加してアトラスや解剖学の本でしか解らなかった事実が実際に自分の手で触れ、見る事により新しい発見と驚きと感動がありました。

お金や時間には変えられない貴重な体験をしたと思います。

自分自身が何か新しく進化した気さえしました。この事を一生忘れることなく今後の仕事に活かしたいと思います。